SMTOWNで感じた拍を捉えるのが難しかった曲たち

こんにちは!ばべです。

 

早いものでSMTOWNから2週間が経過しました。私はまだまだ余韻が残っていて、ついついライブで歌っていた楽曲を聴いてしまいます。

コロナ禍を経て3年ぶりの開催となった今回のSMTOWNは、ファンやアーティストにとって今まで以上に特別な思いがあった公演でしたね。

 

今回のテーマは、そんなSMTOWNで感じた「拍」のお話です!

 

コロナ禍のNEWアイテム「シャカシャカ棒」

SMTOWN東京公演初日の集合写真

今回のSMTOWNでは、応援クラッパー的なもの、通称「シャカシャカ棒」が配られました。

コロナ禍で声が完全に出せない中の救世主として、振ると大きめの音が出るこちらの道具が導入されたのだと思います。

SMTOWNのチケットについているペンライトは例年どおりスティック型ではなく腕につけるタイプなので、このシャカシャカ棒を振っている方が多かったですが、アーティストのペンライトをライトをオフにして振っている方もいらっしゃいました。

 

ここから本題なのですが、シャカシャカ棒やペンライトを振っていて、「アレ…?」と思った瞬間ありませんでしたか…?

 

そうです、振る上での基盤となる「拍」が分からなくなった瞬間です。

拍とは、継続的かつ一定間隔の複数の音(=音楽)を聴いているときに、聴き手が感じる音楽の鼓動のことです。

出典:https://harmonia-library.com/musical-grammer/sheet-music/beat-meter-rhythm-tempo/437/

 

しかも、シャカシャカ棒は音が鳴るので、その音の切れ目で「アレ…?」の瞬間がよくわかりました。

 

今回は、私たちの捉える「拍」について、曲を挙げながらお話します。

 

 

⑴gimme gimme/NCT127

なんといってもギミギミは激重ビートが特徴なので、軽快に振ることが向いている今回のシャカシャカ棒との相性がよくなかったという点で挙げさせていただきました。

 

ビートが重くなる=体感テンポが遅くなるのですが、遅いテンポは拍と拍の間が長くなり、待ちきれない現象が起きてしまうので取りにくいと思います。

 

じゃあこの曲ではどう振ればよかったのか…

 

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⑵DEEP/ヒョヨン(少女時代)

この曲は冒頭部分の拍が取りづらくて振れない現象が起きてました。なぜかというと、ややこしい奇数拍のリズムが入っているからです。


音程の付いているパートと、シャッシャッシャッとリズムを刻んでいるパートの2種類が並行している冒頭になっているのですが、リズムを刻んでいるパートがややこしい奇数のリズムを刻んでいるので、それを聞いてしまい分からなくなるという原理かなと考えました。


歌が入れば耳が自然とそっちに行くのでシャカシャカが揃っていましたね。
この曲はサビまでに3連符のような奇数拍が散りばめてられていて、そのお陰で軽快さは無くなるので彼女のねっとりしたラップとピッタリ合ってる感じがします。サビ前あたりから気持ちよくなってくるのは、奇数のリズムが無くなり偶数のリズムにシフトしてくるからですね。

 

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⑶Step Back/GOT the beat

この曲はみんなが大好きなのか、彼女らが登場してイントロが流れた瞬間テンションが上がって拍を刻むテンポが異様に早くなっていましたね。

 

この曲の冒頭♪00:07あたりから、手拍子のようなリズムが入るのでそれに合わせて振っただけであれだけ早くなるなってしまった理由として、気持ちの高揚はもちろんですが、音楽的な面にも理由があります。

 

冒頭パートには聴き手が拍をとるために必要な要素が薄いのです。

これはどういう意味かの説明として、音楽の構成に注目します。

 

冒頭(~00:14)➡コーラス風メロディ+手拍子

歌いだし以降(00:14~)➡コーラス風メロディ+歌+ビート

 

冒頭部分は2つのパートのみの音楽も、歌いだしからは3つ以上のパートが組み合わさった音楽になっています。

つまり、冒頭部分は音楽を構成するパートが少なく、聴き手が拍をとる上で安定感に薄れるので、早くなってしまったということになります。

 

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⑷Devil/チャンミン東方神起

この曲の冒頭が、SMTOWNの中で1番拍を取りづらい曲だったと思います。

その理由として、この曲の冒頭は'アウフタクト(弱起)'始まりとなっているからです。

アウフタクトというのは、「1」から音楽が始まるのではなく「1の前」から始まるというものです。

例えばNCT127の【Favorite】、こちらもアウフタクト始まりです。

ダンスの肩の動きはじめが1拍目なのですが、その前からメロディがはじまっていますよね。これがアウフタクトです。

NCT 127 엔시티 127 'Favorite (Vampire)' MV - YouTube

 

このDevilでは、冒頭にビートやリズムを刻んでいるパートが1つもなく、尚且つアウフタクト始まりということで、1拍目がどこなのか判断が出来なかったのだと思います。

 

この曲は、サビも重ためになっています。♪Rain down on me~という歌詞と共にドゥン!と強めのバスドラムがなっているのですが、それが正確なテンポより後ろに行っていてリズムが引っ張られているので、シャカシャカ棒を振るにはとっつきにくさがあったのではないかと思いました。

 

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⑸Fever/チャンミン東方神起

こちらもチャンミンの楽曲です。

この曲はジャズっぽくなっていて、シャカシャカ棒のビートと音楽のニュアンスがあっていないという点で挙げさせていただきました。

ジャズというのは、普通のビートと違って横に揺れるようなスイングのビートが特徴なので、1234としっかり刻む曲調ではないのです。

 

この曲の面白い所として、冒頭からサビまでの間はピアノなどが聴こえてジャズっぽいイメージが連想しやすいのですが、サビではリズムの流れを残しつつも力強い歌声と重めのビートに一変するといった、真逆に思える構造を1つの音楽として作り上げる彼の表現力が最大限に生きているなと思います。

 

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~まとめ~

今回のSMTOWNで賛否両論あったシャカシャカ棒ですが、私にとっては音楽的な発見もあったかなと思います。

でも次はシャカシャカ棒はいらないかな…?というより、安心して声を出して応援できる世の中が帰ってくることを切に願っています。

SMTOWNはまた来年、新たな神曲たちと共に日本に来てくれるでしょう。